きっかけ
いつものキッチンからの眺めに不満がある。
お隣のガレージの屋根が丁度目線の高さで、それが日々汚れていく。
お隣さんにとってこの汚れは頭上にあり、おそらく存じてらっしゃらない。
私はおそらくこの汚れに関しての唯一無二の知る人である。
日々変化を目視し、汚れの蓄積を追いかける唯一無二の知る人。
ココはキッチン。
皿を洗っても、
皿を洗っても、
汚れが追いかけてくるイメージ。
そんな未来は、やるせなく…。
思い切って、
「きれいにしていただけますか?」とお隣さんに言う?
やぁやぁ、これはあまりに軽率。
縁切ります宣言に通じる可能性がある。
思いつき
さりげなく目隠しできないか?と思案。
それでは、フェンスにジャスミンをいっぱい這わせてしまえばいい。と思いつく。
ジャスミンは良い香りがするから、
もしかしたら隣人にも良い香りが届くかもしれない。感謝されるかも。名案だと思った。
とにかくやる
簡単なフリーハンドで設計図を書いて、フェンスづくりに取り掛かる。久しぶりの、DIYに心が高鳴る。
木材の買い出しに行く。
フリーハンドはいい。
なにか手慣れた感じがする。
ちゃんとやるんだというプレッシャーがないのもいい。
何より、設計図(適当な)をホームセンターで片手に見ながら歩くさま。これはカッコいい。
フェンスは、作ったことないが、作ったことある人みたいな気分が大事だ。この思いで作ったほうが、きっとうまく作れるはず。
自分を追い詰めず、楽しくやる!コツは、決めない準備しない気合い入れないことだ!と常々肝に銘じている。
尊敬する人
ホームセンターに木材を買いに行き、ペンキを買う。
黄色がいいなと思った。気分が明るくなる。
尊敬する夫婦に津端夫妻がいる。
「人生フルーツ」のドキュメンタリーを見てから、大ファンになった。
夫の津端修一さんの作る「黄色いガーデンプレート」に憧れている。
その思いをここに詰めこむ喜び。これも推し活か。
鉄アミも買った。
これは一人で買うのがこわくて
夫に同行してもらった。
軽いか重いか、柔らかいか固いのか、底知れない。
軽くて柔らかかった。夫を頼もしく感じた。
やってみたら続く
作り始めたのは3月。
ぼちぼち進めて、5月終わりにようやく完成。遅い。
心の変化
ジャスミンは、まだスカスカだから、汚れは見える。
見えるけど、ジャスミンを見ると、心の目は汚いガレージを見ようとせず。
もはや汚いガレージの屋根は見えなくなった。
心落ち着く日々が始まる。
憧れの人
私は、「適当にやれる人」に憧れているから、
細かな採寸もフリーハンドと勘でやった。
憧れは、やれば手に入る。
まとめ
誰に出された課題でもなく、
やる必要もなく、
評価されることもない。
そんなことに熱心に取り組む。
これは真の欲求だから、すごくいい。
私は、「適当にやれる人」だと自分を鼓舞して推し進めた活動の日々。私は、憧れの「適当にやれる人」になった。
『思う』は大事だ。
自信は自分を信じてこそ生まれるのか、としみじみ気が付く。
そしてフリーハンド万歳!と祝福の自己満足に浸った。